【サッカー】トップクラブのスカウト陣が舌なめずり。CL8強で注目の若手3選手

 欧州チャンピオンズリーグ(CL)もいよいよ8強を残すのみとなった。クラブレベルでは欧州、いや、世界最高の大会で、今季も多くの若者たちが躍動している。

 今週に行なわれるベスト8の第1戦を前に、現在最も注目すべき21歳以下の選手をピックアップしてみた。すでに驚愕のプレーを披露している3人の名前を覚えておこう。

■MFキリアン・ムバッペ(18歳)
モナコ/フランス代表

 現在のフットボール界で最もホットなティーン。カメルーン出身のサッカー指導者である父と、アルジェリア人の元ハンドボール選手の母との間にパリ郊外で生を受けたアタッカーは、父が指揮するクラブでボールを蹴り始め、クレールフォンテーヌ(フランス国立のユースアカデミー)でも育成されたエリートだ。その後、モナコに所属すると、2015年12月に16歳347日でシニアデビューを果たし、21年前にティエリ・アンリが樹立したクラブ最年少出場記録を更新した。

 以降、ここまでの約1年5ヵ月間に、「飛ぶ鳥を落とす」という表現では足りないほどの勢いで急成長を見せている。昨年2月にトロワとのリーグ戦でファーストチームでの初ゴールを挙げ、またしてもアンリのクラブ最年少記録を破ると、今季は開幕から先発に名を連ねた。

 頭部の負傷で戦列を離れた時期もあったが、国内リーグで結果を残し続けると、先のチャンピオンズリーグ(CL)・ラウンド16で欧州中を驚かせた。ペップ・グアルディオラ監督率いるマンチェスター・シティから2試合連続ゴールを奪い、財政規模では太刀打ちできない相手を下して8強入り。その9日後には、W杯予選のルクセンブルク戦でフランス代表にもデビューしている(同代表史上2番目の若さ)。

 今ではCLで直接敗れたシティを筆頭に、マンチェスター・ユナイテッドアーセナルチェルシーレアル・マドリードパリ・サンジェルマンなど、多くのビッグクラブがムバッペの獲得を真剣に検討している。スペイン紙『AS』は3月下旬、「レアル・マドリードの来夏最大のターゲット。イングランドのあるクラブは9600万ポンド(約133億円)のオファーを断られた」と報じた。

 ピッチ上の彼は、群を抜くスピードと加速力、ゴール前での落ち着きと決定力で観衆の目を奪う。そのプレースタイルと出自から、アーセン・ベンゲルを始め、「アンリ2世」と称する人は多いが、個人的には元ブラジル代表のロナウドの若かりし頃に近い気がする。「フェノーメノ(怪物・超常現象)」――かつて坊主頭のブラジル人に向けられた賞賛のフレーズが奇しくも今、キリアン・ムバッペを表現する際に使われているように。

 モナコにはその他にも、21歳のトマ・レマール、22歳のバンジャマン・メンディ、ティエムエ・バカヨコ、ベルナルド・シウバ、23歳のファビーニョがレギュラーに名を連ねており、本拠地ルイ2世スタジアムにはトップクラブのスカウトが軒並み集まっているといわれている。



■MFウィルフレッド・エンディディ(20歳)
レスター/ナイジェリア代表

 エンゴロ・カンテが抜けた穴――。それは今季のレスターを悩ませる最大の欠陥だったが、冬にベルギーのヘンクから加入したナイジェリア代表MFの存在によって、そのテーマが論じられる機会は減った。

厳密には、チームが昨季の姿を取り戻したのは、クラウディオ・ラニエリ監督が解任された後であるため、エンディディの加入がチームの復調の主因とは言えないかもしれない。しかし、推定1700万ポンド(約23億5000万円)で加わった守備的MFが即座に中盤の一角でレギュラーとなり、不安定だった中盤に強さとダイナミズムをもたらしたことは間違いない。

 少年時代に元ナイジェリア代表のビクター・イクペバから「とんでもない才能」と太鼓判を押された逸材は、18歳で渡欧してヘンクに入団。実質1年目の昨季は中盤の底でレギュラーとして活躍し、今季は主力に成長していた。そんなところに、データを活用して隠れた才能を見出すレスターのスカウトが目をつけたのだ。

 長い足と大柄な身体を利した巧みな守備で中盤を引き締め、30節のストーク戦で強烈なミドルを決めたように破壊力満点の右足も兼備。その入団後初得点について、「すごいゴールだったね。でも彼にそうした能力が備わっていることはわかっていたよ」とクレイグ・シェイクスピア監督は話した。

「(エンディディは)まだ若いから、余計な重圧はかけたくない。謙虚なパーソナリティはカンテにも通じるところがあるね」と新指揮官が期待する20歳が、アトレティコ・マドリードとの激しい中盤のバトルで鍵を握るはずだ。