【話題】賭けない、飲まない、吸わない、健康マージャンが人気

屋に8台の雀卓(じゃんたく)が並ぶ。30人ほどが集まり、真剣な表情で牌(はい)を切る。マージャン用語が飛び交う店内は女性だけ。しかも全員、60歳以上だ。

 金沢いきいき元気塾が月2回開く「女性デー」。参加者の一人で、金沢市横川2丁目の主婦中岡多瑞子さん(73)は3年ほど前までマージャンのルールを知らなかったという。「とにかく不健康で、怖いイメージ」があったが、「認知症予防にいい」と友達に誘われて渋々ついていったのがきっかけでのめり込んだ。「もう生きがいなのよ」と声を弾ませる。

 障害児のための訪問教育を続ける「全国訪問教育親の会」の顧問を務める音さんが健康マージャンを知ったのは8年ほど前。障害者が店員として働く喫茶店を経営していた。若い頃からマージャンが好きで店に雀卓を置いていたが、客同士にお金のトラブルが起きるのにうんざりしたという。

 その頃、東京で認知症予防などのため、禁酒禁煙の賭けないマージャンを広めようとする動きがあると知って、見学に行った。生き生きとマージャンをしているお年寄りの姿に心を揺さぶられたという。「孤立しがちな高齢者のためのいこいの場を作りたい」と、2009年に金沢いきいき元気塾を発足させ、健康マージャンを推進してきた。

 初心者には最初は四つの牌だけで組み合わせを作るところから練習してもらい、徐々に牌を増やし、役などのルールを丹念に教えていく。年末年始以外は無休。スタッフには障害者や東日本大震災による福島県からの移住者らも名を連ねている。

いた夫の姿が浮かんだ。試しに通ううちにどんどんはまり、現在は月24、25日足を運ぶという。腕前もめきめき上達した。「マージャン教室のない日は1日テレビを見てるだけでつまらない。マージャンのおかげで楽しみができた。ここが大好きなのよ」

 今年1月には県教委や金沢市教委などの後援を受け、金沢いきいき元気塾の主管で「文部科学大臣賞 全日本健康麻将(マージャン)選手権」(全日本健康麻将協議会主催)の第1回を金沢で開催した。全国から100人の出場者が集まった。音さんは「健康マージャンは認知症予防やコミュニティー作りに役立つ。頭脳スポーツとして、将棋や囲碁に並ぶ文化にしたい」と話す。

http://www.asahi.com/articles/ASK373R11K37PJLB00C.html?iref=sptop_8_06