【地震】関東の表層地盤 5000か所余で想定の1.5倍以上の揺れ

近い将来、首都直下地震の発生が懸念される関東地方では、ごく浅い表層の地盤によって、木造住宅に大きな影響を与える地震の揺れが、
これまでの想定の1.5倍以上に強まる可能性のある地域が5000か所余りに上ることが、国の研究機関の分析で初めて明らかになりました。
去年4月の熊本地震でも表層の地盤によって、局所的に揺れが強まって大きな被害につながったと見られ、専門家は想定の見直しなどの対策が必要だとしています。

去年4月の熊本地震で、震度7の揺れを2度観測した熊本県益城町では、表層の地盤によって、木造住宅に大きな影響を与える周期1秒前後の揺れが増幅され、
局所的に2倍以上に強まっていたと見られることが明らかになっていますが、関東地方の表層の地盤については、これまで詳しい調査は行われていませんでした。

防災科学技術研究所の研究グループは、関東地方の1万か所以上で行った高性能の地震計による調査や、
およそ28万件のボーリング調査のデータから、関東地方の表層の地盤について250メートル四方ごとに詳しく分析しました。

その結果、関東地方の5000か所余りで、木造住宅への影響が大きいと考えられる周期0.5秒から1秒の揺れが表層の地盤によって増幅され、
これまでの想定よりも1.5倍以上強まる可能性のあることがわかりました。

東京・台東区の住宅街では、これまでの2.7倍と都内で最も大きくなったほか、千葉県香取市では場所によって3倍以上となり、
震度に換算すると、震度6弱の揺れが震度6強に強まるおそれがあるということです。

防災科学技術研究所の先名重樹主幹研究員は「揺れが大きくなる地域では、従来の被害想定を見直す必要がある。
また、個人では自分が住む場所の地盤のリスクを認識して、必要があれば家の補強などの対策を進めることが重要だ」と話しています。
防災科学技術研究所では、年内にも揺れやすさの地図を作成し、公開したいとしています。

<高さや構造ごとに揺れやすい周期>

建物は高さや構造ごとに、揺れやすい揺れの周期があります。
一般に低い建物は、がたがたとした短い周期の揺れで、高い建物はゆっくりとした長い周期の揺れで揺れやすくなります。

一方、地震の揺れには、がたがたとした揺れや、ゆったりとした揺れなど、さまざまな周期の揺れが含まれていて、地盤の性質によって増幅される揺れが異なります。
例えば固い地盤であれば、揺れはそれほど増幅されずに地表に到達しやすく、軟らかい地盤が厚いところでは周期の長いゆっくりとした揺れが増幅されやすくなります。

地盤の揺れ方と建物の揺れ方が一致すると、共振と呼ばれる現象が起きて、建物が大きく揺れます。
このため、地震による揺れの影響を調べるには、建物が揺れやすい揺れが地盤によって、どのように増幅されやすいかを詳しく知る必要があります。

<高性能の地震計などで調査>

防災科学技術研究所は、ごくわずかな揺れを捉える高性能の地震計を使って、関東地方の平野部のおよそ1万1000か所で、
1キロ程度の間隔で調査し、揺れの伝わり方から地盤の構造を調べました。

さらに鉄道や道路を造る際や、建物を建てる際に行われた、およそ28万か所の掘削調査のデータを集めて、各地の地層を調べ、
地下およそ100メートルまでの表層の地盤について、250メートル四方ごとに詳しく分析しました。

一方、現在公開されている、これまでの国の揺れやすさマップは、主に山地や低地などの地形を基に推定しています。このため、
より細かな地域ごとの表層の地盤による揺れの増幅の影響が、十分に反映されていない可能性があるということです。

防災科学技術研究所では先月末までに最新のデータをまとめて公表していて、現在、年内の公開を目指して新たな揺れやすさのマップの作成を進めています。※続く

配信 4月9日 19時34分

NHK NEWS WEB 続きはニュースサイトで読む(分析結果動画あり)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170409/k10010942421000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_015