【共同通信】森友問題、鍵は昭恵夫人招致 真価問われる首相の「保守」

世間を騒がせている森友学園問題とは何だろうか。
今さら聞けないとお悩みの方のためにも話を整理したい。
疑惑の核心は、財務省による学園側への国有地払い下げに、
安倍晋三首相夫人が関与したかどうかだ。
大阪府豊中市の国有地を粗末に扱うような政権であれば、
いくら沖縄県尖閣諸島の国有地を「中国から守る」と訴えても、
その信ぴょう性には疑問符が付く。
「保守」を標榜する首相はどこまで疑惑解明に応じるのか。真価が問われる。


 ▽権力の頂点


 森友問題が明るみに出る前の昨年10月25日、東京・渋谷区にある国連大学
スーツ姿の昭恵夫人がほほえみを浮かべながらワンボックスカーを降りると、
玄関ホールで待ち受ける多くの幹部職員が深々とお辞儀。
外務省主催のシンポジウムでのあいさつをこなすと、背広姿の一団にうやうやしく見送られた。


 まるで首相本人が登場したかのような物々しさ。
前を横切ろうとした在京紙記者の1人は、職員から
「ちょっと待って。夫人が通ります」と制止された。
昭恵夫人が訪れる先々で繰り広げられる光景だ。


 国家権力の頂点に君臨する首相。その夫人の昭恵氏に関し、
ある外務官僚は「細心の気遣いをするのは当然。だって首相夫人ですよ」。
「夫人は公人か、私人か」という議論は別にしても、
各役所が昭恵夫人に一般国民と異なる接し方をしているのは明らかだ。


 ▽大臣数人分


 「(払い下げを担当する)財務省森友学園の名誉校長を務めていた昭恵夫人
その後ろにいる首相の意向を忖度しながら事に当たっていたのではないか」との見方は、
野党はおろか与党内にもくすぶる。


 一部には昭恵夫人は天真爛漫な性格で、
影響力を行使しようとの意思はないという指摘もある。
しかし、自らの「権力」への自覚がないほど、
直接間接に接触を受けた各省庁などの幹部や担当者を震え上がらせる可能性は高まるだろう。
ある閣僚経験者は「昭恵夫人なら大臣数人分のパワーを持ち得る」と話す。


 ▽腹落ち


 その昭恵夫人による国有地払い下げへの関与はあったのか。
夫人には担当の政府職員が付いている。
その職員が森友学園籠池泰典理事長に充てたファクスは
財務省の国有財産審理室長から定期借地契約に関する回答を得た」とした上で

(1)学園の希望に沿えない
(2)工事費の立て替え分は、平成28年度の予算措置を講じる方向で調整
(3)昭恵夫人にはその旨を報告した

―と記している。

 政府は「(もともとの書簡は)昭恵夫人でなく、
夫人付の谷さん宛てだ。夫人は関与していない」(菅義偉官房長官)と力説する。
しかし一職員に過ぎない谷査恵子氏が籠池氏の要望を受け、
昭恵夫人に無断で財務省に問い合わせ、回答を得たとの説明では、
ストンと腹落ちするとは言い難い。

 ▽首相の決断


 問題の国有地はその後、
ごみの撤去費用など8億円余りを差し引いた1億3400万円で学園に売却。
物事が籠池氏の期待通りに動いた事実は隠しようもない。


 本人に自覚があるかないかにかかわらず、
昭恵夫人は役所にさまざまな「忖度」させるだけの影響力を身にまとっている
籠池氏は偽証罪に問われうる証人喚問で、昭恵夫人の関与に言及した。
事実に反すると言うなら、夫人も国会の場で、
自らの言葉で真実を語るのが筋ではないだろうか。
夫人を国会に呼ぶかどうかは、夫であり国のリーダーである首相の決断にかかっている。


共同通信 47NEWS
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