【森友問題】国有地払い下げ、なかった疑い… 「検察は豊中市議の木村真氏を活動家に近い人物ともみている」

http://biz-journal.jp/2017/04/post_18642.html

 森友問題が膠着状態になっている。目新しい展開がないなか、大阪地検特捜部は森友学園への国有地売却を担当した財務省近畿財務局の職員(氏名不詳)に対する背任容疑の告発を受理した。刑事告発していたのは、大阪府豊中市議の木村真氏ら市民グループ市議らは、財務局が国有地を不当に安く売って国庫に損害を与えたのは背任罪に当たるとしていた。

 この問題の取材を進めているジャーナリストの須田慎一郎氏は、「立件するかどうかは別問題」と冷静に見ている。

大阪地検の動きが問題解明のきっかけになる可能性はある。ここまで国民が注目している問題で、検察も告発状を受理しないというわけにはいかない。このまま事件性なしというのも、世論が許さない部分もある。ただ、検察は豊中市議の木村氏を活動家に近い人物ともみているので、受理はしたものの、木村氏側の主張どおりに検察が動くかどうかはわかりません」

 なんらかの理由をつけて立件を見送ったり、仮に立件するにしても、背任ではなく他の容疑にすりかえて、お茶を濁すというやり方だ。

「そもそも、この問題は国有地を不当に安く売却して国民に損害を与えたというストーリー自体が無理筋。国有地を早くお金に換えようと動いていた連中がいて、そのなかで森友学園元理事長の籠池泰典氏らが踊らされていた可能性が高い。産廃費用は最初に高く設定した土地評価額を下げるための調整弁です。工事の施工業者や産廃業者に良い顔をしたいと思った役人がいたのだと思います」

 なお、工事代金の滞納で、施行業者の申し立てにより、籠池氏の自宅が仮差し押さえとなった。施工業者は、今回の問題が大きくなって工事代金が回収できなくなるとは思ってもいなかっただろう。とりあえず被害を食い止めるのに躍起になっている格好だ。

 また、森友学園補助金を不正受給していたことが発覚したが、国有地売却という本筋とは直接的な関係はない。「籠池氏が補助金をちょろまかしていたという話であって、せこい補助金詐欺みたいなもの。本筋とは分けて考えなければならない」と須田氏も語る。

偽証罪を適応するには、検察が動く必要あり

 森友問題で安倍政権を追及する野党にも、手詰まり感がある。籠池氏を証人喚問し、売却交渉時に財務省理財局長だった迫田英典国税庁長官らを参考人招致したあたりまでは野党の攻勢が続いた。その結果、安倍昭恵・首相夫人から寄付金100万円を受け取ったという籠池氏の証言のほかに、昭恵夫人付きの秘書(首相官邸職員)から籠池氏へ送られたとされるファックスが出てきた。

 しかし、寄付金は違法性がなく、ファックスに関しても夫人付きの官僚が森友学園に対してなんらかの便宜を図ったことが明らかになるような証拠ではない。今のところ、野党は昭恵夫人の証人喚問を要求するしかないのだが、須田氏はこう解説する。

自民党昭恵夫人の証人喚問に応じることはないでしょう。昭恵夫人は何を言い出すかわかりませんから。新たな展開があるとすれば、ファックスのほうですが、籠池氏への便宜供与を証明するには、捜査当局の手を借りるしかありません。『交渉記録が残っていない』という迫田氏らの答弁は明らかに虚偽答弁に近いものだと思いますが、虚偽だと証明するのは難しい。国会でできることには限界があって、これ以上は無理でしょう。かといって、今の捜査当局が首相官邸に弓を引くとは思えません」

 さらに須田氏は、野党、特に民進党の覚悟がみえないという。

「本来なら、すべての審議を拒否して国会空転という場面だってつくり出すことはできるはずです。腰が引けているとみられても仕方ありません。森友問題は、国会においては収束に向かうのではないでしょうか」

 今の通常国会の会期は6月18日まで。安倍政権がもっとも重要視している「共謀罪」法案の審議も始まった。今後、野党は森友問題にどこまで時間を割くことができるか。
(文=横山渉/ジャーナリスト) </div