【ラグビー】<国家一丸で推進する中国ラグビー>人気抜群のサッカーに並べるか?

中国ラグビーはニッチなスポーツとしての立ち位置から脱却し、いずれは潤沢な資金力を蓄える同国のサッカーリーグに匹敵する人気度を誇るまでに成長できる――未来を見据える中国ラグビー界のトップが語った。

 中国ラグビーフットボール協会(Chinese Rugby Football Association、CRFA)の王立偉(Wang Liwei)氏によると、ラグビーファンである習近平(Xi Jinping)国家主席は自身の地位を利用し、同国では「オリーブボール」として親しまれるラグビーの人気向上を後押ししているという。

 現在は選手の数も限られている中国だが、電子商取引(EC)で国内最大手のアリババ(阿里巴巴、Alibaba)は、今後10年間で1億ドル(約110億円)をラグビー界に投資し、男女のプロリーグ発足に加え、5年以内に競技人口を100万人に拡大することを計画している。

 中国のCRFAグラディエーターズ(CRFA Gladiators)が出場する大会、香港テンズ(2017 Hong Kong Tens)の会場に姿を見せた王氏は、同国におけるラグビーの普及には「何年」もかかるだろうと認めたが、同時に莫大なポテンシャルも秘めていると話した。

「われわれはまだ初期段階。中国でラグビーがもっと人気になることを願っている。もちろん、中国スーパーリーグ(1部、中国のプロサッカーリーグ)と同じくらい大きくね」

 中国をサッカー超大国にしようという国策は、同国のクラブと企業から膨大な投資を促進し、海外の有名選手や指導者を引きつけた。

 しかし、熱狂的なファンやクラブの構造を欠くラグビーが、中国国内でサッカーと同じ道を歩めるかは疑問の余地が残されている。


■リーグ創設に期限はなし

 王氏によれば、昨夏のリオデジャネイロ五輪で初めて正式種目として採用され、見事な成功を収めた7人制ラグビーが中国の「最優先事項」だという。リオへの出場権を逃した中国は、先週行われた香港セブンズ(Hong Kong Sevens 2017)にも出場しなかったが、年内には香港(Hong Kong)に近い深セン(Shenzhen)などの都市で7人制の数大会を開催するという。

 より速いプレー展開が特徴のセブンズに重きを置くとする王氏だが、一方で「15人制のプロクラブを創設するため、他国から学んでいく」とも口にし、15人制ラグビーも「諦めてはいない」と主張した。

 さらに同氏は、2018年までに最低でも四つのクラブを形成することがCRFAの目標だとしたうえで、男子15人制ラグビーのプロリーグ創立に向けて、明確な期限はないとしている。

 中国におけるラグビーファンの基盤は小さいと続ける王氏は、海外のファンや大学生が多くのサポートをしてくれるとの考えを持っており、世界最高峰リーグの「スーパーラグビー(Super Rugby)」が主催する「Get Into Rugby」プロジェクトが学童の間におけるラグビーへの興味を高め、最終的に母国出身選手が憧れの的になるような環境を生み出せるのだと話した。

 王氏はまた、「親御さんたちは選手同士の激しい衝突に少し不安があるかもしれないが、試合や大会を通して、子どもたちがチームワークの精神や友だちをつくることができると期待している」と強調し、親の間では子どもにラグビーをプレーさせようという状況が着々とできつつあると語った。

 こうした中国の動きは、国内で1世紀以上にわたってラグビーが親しまれ、2019年W杯(Rugby World Cup 2019)の開催国にもなっている隣国の日本から弾みを受けるかもしれない。

AFP=時事 4/10(月) 16:47配信
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